日茶道から見た日の「」精神
Ⅰ 序論
茶はアジアに生まれアジアが育てた偉な飲みものである文明社会に知られるようになってからの歴史もコーヒーにべるとははるかに古くまたそこから生まれた生活文化の様さもはるかに広いものがある
中国から日にもたらされたお茶はただ飲むことから礼法・作法をもった茶の湯へそして茶道へと独の発展を遂げてきたお茶は日常生活に欠かせない憩いをえの心を豊かにしたのであるそして間としての折目やけじめを教える働きのあるものなのだ
茶の湯に道を求めたのは日の英知であるがとくに禅とのふれ合いの中で道は深まり「茶禅味」「敬清寂」の精神が強調されるようになった
茶の湯は長い間日の心の中の「」文化に深く根をおろしはかり知れない影響をえてきた実は日には日ならではの文化がありその文化は日が思わず知らず話したことあるいは行動したことなどいろいろなところからも見られるのであるたとえば日の独特な文化である「」精神は日茶道にきな影響をぼしてきたと思われる
日茶道にに関するを調べると「」精神という言葉がよく出てくるが日茶道における「」精神を総括したはまだ見つかっていない中国の時事出版社が出版した「中国世界茶文化」の中の日茶道についての紹介もそうである日茶道の紹介は隅々まで触れているが日の「」精神に関するものは少なく簡単な紹介だけの話が出てきただけである実はこのに書いてある亭の作法客の作法などから見ても日の茶道は日の切な茶道文化―「」精神の影響を受けてきたということが分かる
ここで日の「」精神について詳しく検討しその形を分類し茶道のどの面からその精神が見えるのかあるいは「」精神が日茶道にどんなにきな影響をもたらしたかを論じることにする日の「」の精神は対象によってきく二つ分けられつはととの「」精神で二つはと然にとの「」精神であるここでととの「」精神はに亭と客の間のすでに決まった作法から論じと然との「」精神は日の茶室茶道具から論じる
Ⅱ 論
21 日茶道の歴史について
安時代に中国から日に伝われてきた茶道は初めは貴族や武士僧侶など流層に属するものであまり広がっていなかったのである安土桃山時代になり織田信長がお茶を特別なものととらえ武士の間でのみ精神を落ち着かせるためにしていなかったしかし信長の家だった豊臣秀吉は茶室を政治の場に利しくのに茶の世界を広めて行った二とも武士道の精神のために茶の世界を利したのですが信長はその世界に壁を作り秀吉は広めていったそして二の茶道指南役だった千利休によってさらに親しみやすいものへとなって民間にも普し日の伝統文化の体表として日にっている
22 日茶道の提唱する「」の根精神
茶道の提唱する根精神は「」「静」「清」「静」で千利休の集成である「侘び茶」精神の「四諦」とも「四規」とも呼ばれ「侘び茶」を代表するもっとも簡潔な言葉としてなお々に常に口にされている
「」とはお互いに心を開いて仲良くする（調する）こと
「敬」とは互いに敬いあうこと
「清」とは目に見える部分と時に心の中も清らかであるということ
「寂」とは茶道の美意識を支える「わび・さび」
ここでは日の茶道からみた日の「」の精神を論じようとしている日の精神はしばしば「」の精神といわれている「」の考え方は聖徳太子の十七条憲法に書いてある そのなかの第条と後の第十七条にあらわれている十七条憲法の第１条は「をて貴しとなし…」という言葉で始まる「」を説く条文が初に置かれていることから聖徳太子がいかに「」を重視していたかが分かった
「をもって貴しとなす」はお互いに協力することが切だということである みんなで仲良く話し合えさえすればものごとは必ず道理にかない必ず成功するということである 仲良くすることが高の姿なのである 善悪は関係なくみんなで決めたことが高の「善」なのである後の第１７条には「独り断ずべからず必ず衆とともに論ずべし」と記されているつまり「重なことはで決定してはならない必ずくの々とともに議論すべきである」という意味であるこれは第１条に通じるものである
の社会は分の意見を張することが求められている社会で私が私がとなっているしかしの日の文化は謙虚な世界である確かに分の意見を張することもを生きる私たちには事なことだがだからこそを切に思いやる気もちが切ではないかと思われるそうすればもめごとも喧嘩もおきないのではないだろうかこの二つは決して相反するものではない「」くの会社の社や組織の暗黙の解事項になっているいやもう日全体の暗黙の基な解事項なのであるとにかくを乱すことは日が番嫌うことでの思想は私たちの日常生活の隅々にまで根をろしているのであるあまりにも般化したことは改めて考えるまでもなくその組織には然のこととして受け入れられてしまうのである
茶道とは「もてなし」と「しつらい」の美学だと言われているこれは私たちに日茶道と日の「」の精神にはらかのつながりがあるというヒントをえる亭となったはまず露（庭園）をととのえ茶室の中に掛物や水指・茶碗・釜などを意して 演出の準備をしなければならないこれらはすべて日の風土が育んできた文化な結晶といえるものばかりである だから茶道とは「日な美の世界」だということができるつまりと然との調の現れであるそして亭と客の間に通う間なぬくもりが重な素となる それを「」の精神というのである日茶道の「」の精神－客を敬い相手と仲良くしようとし然を尊び然と調して存しようとする日の性格の特徴を日の茶道の細なところからも見出せるのである
23 ととのバランスから見た「」精神
初の茶道は実は僧侶たちが仏の前で順番につの茶を楽しむ厳かな禅宗聖餐儀式だったのである
みんなでつの茶を楽しんだというこの茶道の生まれの形から見ても「」の精神がきく影響をえたということが分かる
現の日茶道をみても亭は客に心のこもったおもてなしが出るよう､季節や目に合わせた掛け軸や花､茶道具をそろえ茶事を企画する客は､意専心に亭の作法を吟味しこれによってもてなす者（亭）ともてなされた客の心が通じ合いお互いに尊敬し合いやかな時が育まれるなおつになる境に達するのであるこのことを「座建立（いちざこんりゅう）」といい茶道ではこの精神をとても切にされている
この精神の生まれにもともとは「」精神からの影響があるのである
231 客の作法から見た「」精神
客は茶室に入る前にまず手を洗い亭について客間に入るそして分の持っているコートなどのものを廊において腰を屈め靴を脱いで茶室に入る茶室に入る前に階級と位を現す飾り物は外しておくのも慣例であったではそれほど厳しくはないが手に持ってきた物は外して茶室に入るのである茶道のどんな細かい点においても厳しい作法が求される身飾りから歩き方まで茶室に入る時から畳のに座る時までこれらは茶道の気質を表すのに欠かせない作法であるまたこのようにして分の謙虚と清潔を表し亭に対する尊敬を表すつまり「」精神の表れともなる飲んで渇きを癒し茶道の優劣を識別したりするのは茶道の目ではない複雑な手順儀式を通して静寂で睦まじくやかな雰囲気を作るのが目である
茶室のドアはドアと言っても窓に等しい空間の狭いドアになっているその高さはわずか1メートルぐらいで入るときはみんなが這うようにして入るこれは々が謙虚に生きていてみんなが等だということを象徴するためだそうである日には「茶室では皆等だ」という格言があるように普通の庶民であれ天皇であれこの点ではみんなじである
客の列で番前に立っているから献茶を受けるのが慣例となっているが後ろのを誘うとかして遠慮を示すのが普通である茶碗を渡された場合には両手で受け取り左手におき右手で受け取り左手におき右手で茶碗を2回回しまた模様がついている面を亭の方へいて持ち次はまた両手で茶碗を分の額まで差しげ礼を返す飲む前には丁重に万物に感謝の意を表し右側のにいて「お供になりましてご勘弁お願いします」と言い左側のにいて「失礼いたします」と言う飲むときにはゆっくり飲みゆっくり吟味するのが習慣であるまた舌を鳴らし茶道具と茶の味茶室の優雅についての賞美と賛美を示すのである飲み終わっても茶を賛美言葉をいい客のもてなしに感謝の意を表すその後また茶碗に模様がついている面を亭にけ渡すのである
これらの客の厳しい作法からも相手を尊敬し仲良くしようとする「」の精神が見られるのである
232 亭の作法から見た「」精神
2321 湯飲みの出し方から見た「」精神
亭はひざまずく軽く茶碗を二回回し模様がついている面を客のほうへいておくのである茶碗を持つ時は原則として両手で持ちサービスする欧米の飲みものは客の右側から出す約束であるが日茶のとき机なしであれば正面机のあるとき客の左側から出すことになっている客の左からサービスするときの身体のきは客に対して４５度のきにする
相手との間に障害物などがあり両手でのサービスがな場合片手でサービスされるしかしこの場合いったんは両手で相手のくまでサービスしそれから片手で相手の正面まで持ってゆかれる
菓子も茶もすべて右手で出し右手でささげるこのとき左手の指は親指を中にして残り４をそろえ卓に置かれる右手の５の指のうち親指をにして行なう右腕の肱（ひじ）を張らない差し出すとき肱を伸ばすまた手のひらが真をいている
茶碗を客前に出すときは茶碗の顔（おもて）を正面とするまた茶托の木目は客にかって横になるようにして出すこのとき客正面で茶碗を回転することなどざまである
このところから客に対して忠誠をくす日の心が見えるのである
2322 茶菓のさげ方からみた「」精神
客が茶菓を移動しその置いてあるところが客の左にいるサービスマンから遠い場合：客が腰をあげずともとれるならば亭としては「恐れいりますが……」と述べて客の手で菓子皿茶碗などをこちらにまわしてもらう客が腰をあげなければとれない位置のとき亭はぐるっとまわっていってそれをとるつまりなるべく客のまわりをうろつかない
客が茶を楽しむのに邪魔されないよう気をつけていることが分かる
24 と然とのバランスから見た日の「」精神
241 茶室から見た「」精神
普通茶室は森の中あるいは草木が茂んでいる庭園や花園でに建てるまた材料は欧米の国の家とはだいぶ違う竹であるそれで茶室に入ったら流れる水の音と鳥の鳴き声がかすかに聞こえるのであるまた亭は茶室の中の壁に茶室の中に掛物を掛け花や水指・茶碗・釜などを意する茶室のすみずみを見ても然に恵まれて然との調が取れているということが分かるいわゆる日独特のと然の「」の精神の表れである
日の初期の茶室はただ普通の客間の部分であった日式の家には必ず玄関がある日の茶室も玄関にあたるものでここではまず日の玄関について述べたいものである靴を脱ぐ必がない欧米の家日ほどその規則が徹底していないアジア国ではエントランスホ－ルはあっても玄関というスペ－スはないのであるつまり茶室というスペースもさらにないのである入り口手前のたたきやホ－ルの隅を靴置き場にしている国がほとんどで日の玄関のように茶室のようにそこがひとつの世界を形作っているのはに例がないのであるこのような客との独特な空間を作ったとういことは日はどれほど客との空間を重んじてたかが分かるつまり「」の精神の客観で番鮮明な表れである
玄関は室町時代ごろから風建築に取り入れられたようである江戸時代には武士階級の家しか玄関と床の間を持つことを許されなかったそれほど格式のある空間だったのだ外の世界との世界との境界線神聖な場として日は玄関を切に演出してきただからよその家を訪ねる時もお客様を玄関先でおもてなしするときも独特のル－ル（つまり作法）があるのだ例えばよその家を訪ねるとき帽子と手袋は取ってもコ－トは着たままの方がよいとかあがる時は前きに靴を脱いでからしゃがんで靴のきを反対に直すとか歴史を振り返ってみると分が住んでいるマンションやアパ－トのささやかな玄関だってとても意味深い場だということがわかるそれで日は清潔感と整理整頓を重視して神聖で心よい世界を心がける民族である昔の軒家は「勝手口」とお客迎える「玄関」がきちんと別れていたから茶室は常に整然としていたものであったがマンションはその両方を兼ねるところがほとんどである分では気づけないがその家の生活臭は玄関先にも必ず漂っているのである分の家に伝わる置物や思い出の品物をワンポイント玄関に飾るそれがたとえ欧米風でもエスニック風でもかまわないどんなに洋風化した生活を送っているつもりでも私たちが靴を脱いで生活をしている限り「」の空間に支配されている
そんなことを教えてくれるのが玄関さらには茶室というスペ－スなのである
242 茶道具から見た「」精神
日の精神はしばしば「」精神といわれている「」というと妥協やなれあいをイメージするもいるだろうしかし真の「」精神には生命と宇宙の法則も現われているのである
聖徳太子は十七条憲法の第１条を分析しても「」の心をもってお互いに話し合えばそこにずから物事の「理」が通うのだできないことなどあろうかということである「の」は「宇宙の理法」に通じるという信念を太子は持っていたと思われる
日茶道のなかで精神はとの間の「」だけでなくと然との「」さらにと茶道具との「」も含まれている日茶道観によるとあらゆる茶道具は生きているものであり々に尊重されているというまた茶道具に作者の名前をつける場合もある茶道具を楽しむ場合は両手で慎重に差しげその形とか色合いを楽しむだけでなく触ることからそれらが持っている性質と固の情感を感ずるのである茶道でうあらゆる道具のにおいては絶対禁止という言い方はなく客が思う存分それらを愛撫するようにされるでも道具を持つときは静かに持ち静かにおく引きずったりぶつかったりするのはあまりましくないそれは「」を乱すことを意味するからである茶道具は注意によって砕ける場合もあるがこの時茶たちはよく丁寧にそのかけらを集めそれらをかみ合って模様をつけるのであるこのような茶道具はかえって芸術価値ががり世代に伝わる宝物にさえなっている場合もある日茶道における茶道具の価値は切にされてきたその程度と仕方に左右されるのであるつのな飯茶碗であっても十分な愛を注ぎ珍重な態度で扱い親切に撫でりそれを番目立つところに切に安置するとその茶道具の価値は急増するのである日茶道の成立早々の時代千利休は鮮民間でわれてきたざらざらな飯茶碗を茶碗としてったのであるでもそのような飯茶碗が模造されわれている
このように「」という思想が日茶道にきく影響していると思われる
Ⅲ 結論
「」精神は日列島に移住した々を融合させ日民族を形成した原動力だったこの世界にもユニークな精神は日の然の中で発達したものと言えるだろうこのように古から日はとと然の調を心がけてきたことが分かる国名を「わ」と呼んで「」の字をあて「やまと」には「」という漢字をしたのは「」を重視してきた印であろう聖徳太子はその「」を憲法に明文化し理念として確立したこのことによって日は「」精神を層発展させてきたのである日精神は「」精神存栄の調の精神である日は「の国」と言われ日は「」を重んじる国民であるそのことを私たちは日の神話や歴史の中に見出すことができる
この精神の原動力のもとで日の伝統な文化を築いてきたのがいわゆる日茶道である日茶道の茶道具茶室亭と客の作法などのすみずみからも日の偉な「」精神が見られるのである客を敬い相手と仲良くしようとし然を尊び然と調して存しようとする日の性格の特徴つまりとと然すべてのバランスにおける日の「」精神が日の茶道に根をろしたのであるこのように日の「」精神は思わず知らずもう日茶道にきな影響をえ日茶道ならではの独特なルールを作り日にっては日茶道においての隅々から日の「」の思想が見られ「」精神の巨な威力が感じさせられるのである現はがを切にする時代ではなくなってしまったのこころを傷つけのを踏み台にして分だけがのしあがっていけばよいという々であふれかえっているこうした時代にを敬い みの世界と物事に動じない心を生み出していくのが茶道なのである茶道とは世界に誇ることのできる精神文化といえるのではないだろうか
参考文献
1 高橋忠彦 2000 『東洋の茶』 日淡交社
2 张忠良．中国世界茶文化．时事出版社2006．
3 张建立．茶道と茶の湯．日淡交社2004．
4 周文棠．茶道．浙江学出版社2003．
5 董尚胜．王建荣．茶史．日淡交社2003．
6 吴智．茶文化．台北行政院文化建设委员会1984．
7 远明方．禅茶．台北世界文物出版社1988．
8 尹桂茂．茶通．天津科技翻译出版公司1989．
9 王旭峰．饮茶说茶．浙江民美术出版社1993．
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Ⅰ 序論
茶はアジアに生まれアジアが育てた偉な飲みものである文明社会に知られるようになってからの歴史もコーヒーにべるとははるかに古くまたそこから生まれた生活文化の様さもはるかに広いものがある
中国から日にもたらされたお茶はただ飲むことから礼法・作法をもった茶の湯へそして茶道へと独の発展を遂げてきたお茶は日常生活に欠かせない憩いをえの心を豊かにしたのであるそして間としての折目やけじめを教える働きのあるものなのだ
茶の湯に道を求めたのは日の英知であるがとくに禅とのふれ合いの中で道は深まり「茶禅味」「敬清寂」の精神が強調されるようになった
茶の湯は長い間日の心の中の「」文化に深く根をおろしはかり知れない影響をえてきた実は日には日ならではの文化がありその文化は日が思わず知らず話したことあるいは行動したことなどいろいろなところからも見られるのであるたとえば日の独特な文化である「」精神は日茶道にきな影響をぼしてきたと思われる
日茶道にに関するを調べると「」精神という言葉がよく出てくるが日茶道における「」精神を総括したはまだ見つかっていない中国の時事出版社が出版した「中国世界茶文化」の中の日茶道についての紹介もそうである日茶道の紹介は隅々まで触れているが日の「」精神に関するものは少なく簡単な紹介だけの話が出てきただけである実はこのに書いてある亭の作法客の作法などから見ても日の茶道は日の切な茶道文化―「」精神の影響を受けてきたということが分かる
ここで日の「」精神について詳しく検討しその形を分類し茶道のどの面からその精神が見えるのかあるいは「」精神が日茶道にどんなにきな影響をもたらしたかを論じることにする日の「」の精神は対象によってきく二つ分けられつはととの「」精神で二つはと然にとの「」精神であるここでととの「」精神はに亭と客の間のすでに決まった作法から論じと然との「」精神は日の茶室茶道具から論じる
Ⅱ 論
21 日茶道の歴史について
安時代に中国から日に伝われてきた茶道は初めは貴族や武士僧侶など流層に属するものであまり広がっていなかったのである安土桃山時代になり織田信長がお茶を特別なものととらえ武士の間でのみ精神を落ち着かせるためにしていなかったしかし信長の家だった豊臣秀吉は茶室を政治の場に利しくのに茶の世界を広めて行った二とも武士道の精神のために茶の世界を利したのですが信長はその世界に壁を作り秀吉は広めていったそして二の茶道指南役だった千利休によってさらに親しみやすいものへとなって民間にも普し日の伝統文化の体表として日にっている
22 日茶道の提唱する「」の根精神
茶道の提唱する根精神は「」「静」「清」「静」で千利休の集成である「侘び茶」精神の「四諦」とも「四規」とも呼ばれ「侘び茶」を代表するもっとも簡潔な言葉としてなお々に常に口にされている
「」とはお互いに心を開いて仲良くする（調する）こと
「敬」とは互いに敬いあうこと
「清」とは目に見える部分と時に心の中も清らかであるということ
「寂」とは茶道の美意識を支える「わび・さび」
ここでは日の茶道からみた日の「」の精神を論じようとしている日の精神はしばしば「」の精神といわれている「」の考え方は聖徳太子の十七条憲法に書いてある そのなかの第条と後の第十七条にあらわれている十七条憲法の第１条は「をて貴しとなし…」という言葉で始まる「」を説く条文が初に置かれていることから聖徳太子がいかに「」を重視していたかが分かった
「をもって貴しとなす」はお互いに協力することが切だということである みんなで仲良く話し合えさえすればものごとは必ず道理にかない必ず成功するということである 仲良くすることが高の姿なのである 善悪は関係なくみんなで決めたことが高の「善」なのである後の第１７条には「独り断ずべからず必ず衆とともに論ずべし」と記されているつまり「重なことはで決定してはならない必ずくの々とともに議論すべきである」という意味であるこれは第１条に通じるものである
の社会は分の意見を張することが求められている社会で私が私がとなっているしかしの日の文化は謙虚な世界である確かに分の意見を張することもを生きる私たちには事なことだがだからこそを切に思いやる気もちが切ではないかと思われるそうすればもめごとも喧嘩もおきないのではないだろうかこの二つは決して相反するものではない「」くの会社の社や組織の暗黙の解事項になっているいやもう日全体の暗黙の基な解事項なのであるとにかくを乱すことは日が番嫌うことでの思想は私たちの日常生活の隅々にまで根をろしているのであるあまりにも般化したことは改めて考えるまでもなくその組織には然のこととして受け入れられてしまうのである
茶道とは「もてなし」と「しつらい」の美学だと言われているこれは私たちに日茶道と日の「」の精神にはらかのつながりがあるというヒントをえる亭となったはまず露（庭園）をととのえ茶室の中に掛物や水指・茶碗・釜などを意して 演出の準備をしなければならないこれらはすべて日の風土が育んできた文化な結晶といえるものばかりである だから茶道とは「日な美の世界」だということができるつまりと然との調の現れであるそして亭と客の間に通う間なぬくもりが重な素となる それを「」の精神というのである日茶道の「」の精神－客を敬い相手と仲良くしようとし然を尊び然と調して存しようとする日の性格の特徴を日の茶道の細なところからも見出せるのである
23 ととのバランスから見た「」精神
初の茶道は実は僧侶たちが仏の前で順番につの茶を楽しむ厳かな禅宗聖餐儀式だったのである
みんなでつの茶を楽しんだというこの茶道の生まれの形から見ても「」の精神がきく影響をえたということが分かる
現の日茶道をみても亭は客に心のこもったおもてなしが出るよう､季節や目に合わせた掛け軸や花､茶道具をそろえ茶事を企画する客は､意専心に亭の作法を吟味しこれによってもてなす者（亭）ともてなされた客の心が通じ合いお互いに尊敬し合いやかな時が育まれるなおつになる境に達するのであるこのことを「座建立（いちざこんりゅう）」といい茶道ではこの精神をとても切にされている
この精神の生まれにもともとは「」精神からの影響があるのである
231 客の作法から見た「」精神
客は茶室に入る前にまず手を洗い亭について客間に入るそして分の持っているコートなどのものを廊において腰を屈め靴を脱いで茶室に入る茶室に入る前に階級と位を現す飾り物は外しておくのも慣例であったではそれほど厳しくはないが手に持ってきた物は外して茶室に入るのである茶道のどんな細かい点においても厳しい作法が求される身飾りから歩き方まで茶室に入る時から畳のに座る時までこれらは茶道の気質を表すのに欠かせない作法であるまたこのようにして分の謙虚と清潔を表し亭に対する尊敬を表すつまり「」精神の表れともなる飲んで渇きを癒し茶道の優劣を識別したりするのは茶道の目ではない複雑な手順儀式を通して静寂で睦まじくやかな雰囲気を作るのが目である
茶室のドアはドアと言っても窓に等しい空間の狭いドアになっているその高さはわずか1メートルぐらいで入るときはみんなが這うようにして入るこれは々が謙虚に生きていてみんなが等だということを象徴するためだそうである日には「茶室では皆等だ」という格言があるように普通の庶民であれ天皇であれこの点ではみんなじである
客の列で番前に立っているから献茶を受けるのが慣例となっているが後ろのを誘うとかして遠慮を示すのが普通である茶碗を渡された場合には両手で受け取り左手におき右手で受け取り左手におき右手で茶碗を2回回しまた模様がついている面を亭の方へいて持ち次はまた両手で茶碗を分の額まで差しげ礼を返す飲む前には丁重に万物に感謝の意を表し右側のにいて「お供になりましてご勘弁お願いします」と言い左側のにいて「失礼いたします」と言う飲むときにはゆっくり飲みゆっくり吟味するのが習慣であるまた舌を鳴らし茶道具と茶の味茶室の優雅についての賞美と賛美を示すのである飲み終わっても茶を賛美言葉をいい客のもてなしに感謝の意を表すその後また茶碗に模様がついている面を亭にけ渡すのである
これらの客の厳しい作法からも相手を尊敬し仲良くしようとする「」の精神が見られるのである
232 亭の作法から見た「」精神
2321 湯飲みの出し方から見た「」精神
亭はひざまずく軽く茶碗を二回回し模様がついている面を客のほうへいておくのである茶碗を持つ時は原則として両手で持ちサービスする欧米の飲みものは客の右側から出す約束であるが日茶のとき机なしであれば正面机のあるとき客の左側から出すことになっている客の左からサービスするときの身体のきは客に対して４５度のきにする
相手との間に障害物などがあり両手でのサービスがな場合片手でサービスされるしかしこの場合いったんは両手で相手のくまでサービスしそれから片手で相手の正面まで持ってゆかれる
菓子も茶もすべて右手で出し右手でささげるこのとき左手の指は親指を中にして残り４をそろえ卓に置かれる右手の５の指のうち親指をにして行なう右腕の肱（ひじ）を張らない差し出すとき肱を伸ばすまた手のひらが真をいている
茶碗を客前に出すときは茶碗の顔（おもて）を正面とするまた茶托の木目は客にかって横になるようにして出すこのとき客正面で茶碗を回転することなどざまである
このところから客に対して忠誠をくす日の心が見えるのである
2322 茶菓のさげ方からみた「」精神
客が茶菓を移動しその置いてあるところが客の左にいるサービスマンから遠い場合：客が腰をあげずともとれるならば亭としては「恐れいりますが……」と述べて客の手で菓子皿茶碗などをこちらにまわしてもらう客が腰をあげなければとれない位置のとき亭はぐるっとまわっていってそれをとるつまりなるべく客のまわりをうろつかない
客が茶を楽しむのに邪魔されないよう気をつけていることが分かる
24 と然とのバランスから見た日の「」精神
241 茶室から見た「」精神
普通茶室は森の中あるいは草木が茂んでいる庭園や花園でに建てるまた材料は欧米の国の家とはだいぶ違う竹であるそれで茶室に入ったら流れる水の音と鳥の鳴き声がかすかに聞こえるのであるまた亭は茶室の中の壁に茶室の中に掛物を掛け花や水指・茶碗・釜などを意する茶室のすみずみを見ても然に恵まれて然との調が取れているということが分かるいわゆる日独特のと然の「」の精神の表れである
日の初期の茶室はただ普通の客間の部分であった日式の家には必ず玄関がある日の茶室も玄関にあたるものでここではまず日の玄関について述べたいものである靴を脱ぐ必がない欧米の家日ほどその規則が徹底していないアジア国ではエントランスホ－ルはあっても玄関というスペ－スはないのであるつまり茶室というスペースもさらにないのである入り口手前のたたきやホ－ルの隅を靴置き場にしている国がほとんどで日の玄関のように茶室のようにそこがひとつの世界を形作っているのはに例がないのであるこのような客との独特な空間を作ったとういことは日はどれほど客との空間を重んじてたかが分かるつまり「」の精神の客観で番鮮明な表れである
玄関は室町時代ごろから風建築に取り入れられたようである江戸時代には武士階級の家しか玄関と床の間を持つことを許されなかったそれほど格式のある空間だったのだ外の世界との世界との境界線神聖な場として日は玄関を切に演出してきただからよその家を訪ねる時もお客様を玄関先でおもてなしするときも独特のル－ル（つまり作法）があるのだ例えばよその家を訪ねるとき帽子と手袋は取ってもコ－トは着たままの方がよいとかあがる時は前きに靴を脱いでからしゃがんで靴のきを反対に直すとか歴史を振り返ってみると分が住んでいるマンションやアパ－トのささやかな玄関だってとても意味深い場だということがわかるそれで日は清潔感と整理整頓を重視して神聖で心よい世界を心がける民族である昔の軒家は「勝手口」とお客迎える「玄関」がきちんと別れていたから茶室は常に整然としていたものであったがマンションはその両方を兼ねるところがほとんどである分では気づけないがその家の生活臭は玄関先にも必ず漂っているのである分の家に伝わる置物や思い出の品物をワンポイント玄関に飾るそれがたとえ欧米風でもエスニック風でもかまわないどんなに洋風化した生活を送っているつもりでも私たちが靴を脱いで生活をしている限り「」の空間に支配されている
そんなことを教えてくれるのが玄関さらには茶室というスペ－スなのである
242 茶道具から見た「」精神
日の精神はしばしば「」精神といわれている「」というと妥協やなれあいをイメージするもいるだろうしかし真の「」精神には生命と宇宙の法則も現われているのである
聖徳太子は十七条憲法の第１条を分析しても「」の心をもってお互いに話し合えばそこにずから物事の「理」が通うのだできないことなどあろうかということである「の」は「宇宙の理法」に通じるという信念を太子は持っていたと思われる
日茶道のなかで精神はとの間の「」だけでなくと然との「」さらにと茶道具との「」も含まれている日茶道観によるとあらゆる茶道具は生きているものであり々に尊重されているというまた茶道具に作者の名前をつける場合もある茶道具を楽しむ場合は両手で慎重に差しげその形とか色合いを楽しむだけでなく触ることからそれらが持っている性質と固の情感を感ずるのである茶道でうあらゆる道具のにおいては絶対禁止という言い方はなく客が思う存分それらを愛撫するようにされるでも道具を持つときは静かに持ち静かにおく引きずったりぶつかったりするのはあまりましくないそれは「」を乱すことを意味するからである茶道具は注意によって砕ける場合もあるがこの時茶たちはよく丁寧にそのかけらを集めそれらをかみ合って模様をつけるのであるこのような茶道具はかえって芸術価値ががり世代に伝わる宝物にさえなっている場合もある日茶道における茶道具の価値は切にされてきたその程度と仕方に左右されるのであるつのな飯茶碗であっても十分な愛を注ぎ珍重な態度で扱い親切に撫でりそれを番目立つところに切に安置するとその茶道具の価値は急増するのである日茶道の成立早々の時代千利休は鮮民間でわれてきたざらざらな飯茶碗を茶碗としてったのであるでもそのような飯茶碗が模造されわれている
このように「」という思想が日茶道にきく影響していると思われる
Ⅲ 結論
「」精神は日列島に移住した々を融合させ日民族を形成した原動力だったこの世界にもユニークな精神は日の然の中で発達したものと言えるだろうこのように古から日はとと然の調を心がけてきたことが分かる国名を「わ」と呼んで「」の字をあて「やまと」には「」という漢字をしたのは「」を重視してきた印であろう聖徳太子はその「」を憲法に明文化し理念として確立したこのことによって日は「」精神を層発展させてきたのである日精神は「」精神存栄の調の精神である日は「の国」と言われ日は「」を重んじる国民であるそのことを私たちは日の神話や歴史の中に見出すことができる
この精神の原動力のもとで日の伝統な文化を築いてきたのがいわゆる日茶道である日茶道の茶道具茶室亭と客の作法などのすみずみからも日の偉な「」精神が見られるのである客を敬い相手と仲良くしようとし然を尊び然と調して存しようとする日の性格の特徴つまりとと然すべてのバランスにおける日の「」精神が日の茶道に根をろしたのであるこのように日の「」精神は思わず知らずもう日茶道にきな影響をえ日茶道ならではの独特なルールを作り日にっては日茶道においての隅々から日の「」の思想が見られ「」精神の巨な威力が感じさせられるのである現はがを切にする時代ではなくなってしまったのこころを傷つけのを踏み台にして分だけがのしあがっていけばよいという々であふれかえっているこうした時代にを敬い みの世界と物事に動じない心を生み出していくのが茶道なのである茶道とは世界に誇ることのできる精神文化といえるのではないだろうか
参考文献
1 高橋忠彦 2000 『東洋の茶』 日淡交社
2 张忠良．中国世界茶文化．时事出版社2006．
3 张建立．茶道と茶の湯．日淡交社2004．
4 周文棠．茶道．浙江学出版社2003．
5 董尚胜．王建荣．茶史．日淡交社2003．
6 吴智．茶文化．台北行政院文化建设委员会1984．
7 远明方．禅茶．台北世界文物出版社1988．
8 尹桂茂．茶通．天津科技翻译出版公司1989．
9 王旭峰．饮茶说茶．浙江民美术出版社1993．
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